日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ブルーネル(Sir Marc Isambard Brunel)
ぶるーねる
Sir Marc Isambard Brunel
(1769―1849)
イギリス産業革命後期の技術者。フランス、ノルマンディー生まれ。神学校に学び、フランス海軍士官(1786~1792)となるが、フランス革命のためにニューヨークに亡命し、運河の設計や劇場の建設に従事した。1799年イギリスに渡り、1806年ポーツマスの造船所で船舶用滑車の大量生産用機械をつくった。これにより、それまで43種の機械と100人の労働者を要した滑車製造の仕事は、10人で、はるかに短期間に、しかも正確に生産されるようになり、年間10万個を必要とした政府は約2万4000ポンド節約できた。また編機(トリコット機)や木材加工機を発明したが、発明から利益をあげることは苦手であった。1818年にはトンネル用シールド工法の特許を得た。この工法は子のI・K・ブルーネルの協力によりテムズ川底トンネル建設工事(1825~1843)に使用され、その功によりナイトに叙せられた。
[山崎俊雄]
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