日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブルース・リー」の意味・わかりやすい解説
ブルース・リー
ぶるーすりー
Bruce Lee
(1940―1973)
漢字表記李小龍(りしょうりゅう)。香港(ホンコン)の映画俳優。アメリカのサンフランシスコで生まれた。父親は広東(カントン)オペラの俳優だった。生まれてまもなくから香港の映画に出演。大学はアメリカでワシントン大学哲学科に学び、この学生時代に中国拳法の武道を研究して独自の流派を編みだした。そこでハリウッドからアクション指導の依頼を受けて映画界入りし、その模範演技で俳優として認められた。1971年に香港に帰って『ドラゴン危機一発』に出演、これの大ヒットで功夫(カンフー)映画のブームをまき起こす。続いて自分で製作、監督、主演をする一連の作品を連続的にヒットさせ、多くの追随者を伴って香港の功夫映画の世界的な人気をつくり出す。代表作は、ハリウッドとの合作『燃えよドラゴン』(1973)。ストーリーは単純な勧善懲悪だが、京劇のアクロバット演技の伝統を受け継いで映画に生かしたその体技はすばらしく、ファンを興奮させた。1973年、32歳で亡くなった。
[佐藤忠男]