ブリタニキュス(英語表記)Britannicus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブリタニキュス」の意味・わかりやすい解説

ブリタニキュス
Britannicus

フランスの劇作家ジャン・ラシーヌ悲劇。5幕,韻文。 1669年 12月 13日,オテル・ド・ブルゴーニュ座初演。翌年刊。タキツスの『年代記』に拠るローマ史を題材に,暴君ネロが悪に傾く危機をとらえて,権勢欲と野心と盲目的愛情の渦巻く絶望的な世界を描き出す。

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デジタル大辞泉 「ブリタニキュス」の意味・読み・例文・類語

ブリタニキュス(〈フランス〉Britannicus)

ラシーヌによる悲劇。1669年発表。古代ローマ史を題材とする。

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世界大百科事典 第2版 「ブリタニキュス」の意味・わかりやすい解説

ブリタニキュス【Britannicus】

フランスの劇作家J.ラシーヌの第5作。5幕の韻文悲劇。初演は1669年12月,ブルゴーニュ座。悲劇《アンドロマック》(1667)の驚異的成功によって新進悲劇詩人としての地位を築いたラシーヌであるが,大コルネイユを中心とする旧世代からは,甘い恋愛悲劇しか書けぬ詩人という批判が絶えなかった。《ブリタニキュス》は,素材をタキトゥス《年代記》によるローマ史に取り,政治悲劇としてコルネイユ以上にコルネイユ的悲劇を書くことによって,そのような批判に応じようとした作品である。

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