ブラフマ・サマージ(読み)ぶらふまさまーじ(英語表記)Brahma Samāj

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラフマ・サマージ」の意味・わかりやすい解説

ブラフマ・サマージ
ぶらふまさまーじ
Brahma Samāj

近代インドの宗教・社会改革団体。ラーム・モーハン・ローイによって1828年にカルカッタ(現コルカタ)で創設された。ローイはヒンドゥー教基盤を置きつつ、その偶像崇拝寡婦殉死悪習に反対、キリスト教イスラム教とヒンドゥー教の融和を主張した。しかし、彼の渡英(1830)後、運動は一時沈滞したが、42年にD・タゴールの創設した「真理にめざめる会」と合併し、社会教育活動の面での活発な運動が展開された。ついで57年にはセーンが加わり、タゴールと2人による指導が続けられたが、両者の考え方の差はどうしようもなく、66年にはセーンが分派をつくった。それ以後は社会福祉面での活動が中心となっている。

[増原良彦]

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百科事典マイペディア 「ブラフマ・サマージ」の意味・わかりやすい解説

ブラフマ・サマージ

近代インドの宗教・社会改革運動団体。1828年R.M.ローイが偶像崇拝を排斥し,普遍的信仰を唱えるブラフマ・サバーを創設。1843年以後タゴールを中心としてブラフマ・サマージが組織化された。普遍的信仰と,ヒンドゥー教および近代合理主義とのはざまで苦悶したが,その過程民族運動や社会改革運動の形成を進め,近代インド精神の発展を促進した。

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