日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ブラッドフォード(イギリス)
ぶらっどふぉーど
Bradford
イギリス、イングランド中部、ウェスト・ヨークシャー大都市県の工業都市。人口46万7668(2001)。ペニン山脈東麓(とうろく)、エア川の支流に沿って位置する。13世紀ごろから定期市開催地として繁栄し、14世紀に入ると毛織物工業がおこった。その後、動力の導入やユダヤ商人の進出などで羊毛工業、羊毛取引の中心地となった。18世紀以降はウーステッド織物製造が中心となり、周辺の同業12都市とあわせてイギリスのウーステッド生産の90%を占めるに至った。現在はほかにアルパカ、モヘア、ベルベット、化学繊維の生産も多い。ブラッドフォード羊毛取引所は、イギリスだけでなく世界の羊毛取引の中心である。ほかに化学製品、自動車、機械などの製造業もある。市内には15世紀のセント・ピーター教会、17世紀のグラマー・スクール、19世紀の建築で60メートルの鐘楼をもつゴシック建築の市役所など古い建物も多い。また、公園、緑地にも恵まれている。
[井内 昇]