日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ブッシュ(Germán Busch)
ぶっしゅ
Germán Busch
(1904―1939)
ボリビアの軍人、政治家。ドイツ人の医者を父に、ボリビア人を母として生まれ、軍人として育ち、チャコ戦争(1932~35)で勇名をはせた。1937年7月、クーデターによってトロ大統領を追放し、大統領の座についた。39年4月には、社会改革遂行のために独裁宣言を発し、労働法の制定、ドイツ系ユダヤ人の移住受け入れなどの進歩的な政策をとった。同年6月、ボリビアの政治・経済を支配していた鉱山財閥に、鉱産物輸出による稼得外貨をすべて政府に引き渡すよう要求し、鉱山財閥と対決したが、39年8月23日謎(なぞ)の死を遂げた。
[中川文雄]