ブイヨン
ぶいよん
bouillon フランス語
野菜、肉、骨、魚貝類の煮だし汁のこと。西洋料理のもっとも重要な基本の材料の一つで、ソースやスープのもとになる。通常、肉(牛肉、鶏肉、子牛肉などを1種または組み合わせて使う)、香味野菜(タマネギ、ニンジン、セロリ、パセリ、リーキネギなど)、スパイス、食塩少量を鍋(なべ)に入れて水を加え、火にかけてゆっくりと煮だす。あくや浮き脂肪をすくいとりながら、鶏肉1~2時間半、牛肉3時間以上、牛骨8時間以上火にかけて、うま味を引き出す。この漉(こ)し分けた汁をブイヨンとよび、コンソメやソースの素汁に用いたり、調味してスープとして食卓に出す。魚のブイヨンは白身魚の中骨を香味野菜、レモン、白ワインとともに、水から煮だして漉したもので、魚料理の下地に用いる。
[小林文子]
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ブイヨン【bouillon(フランス)】
①西洋料理に用いるだし汁で、牛肉・鶏肉やそれらの骨などに水・香味野菜・香辛料などを加え、あくをとりながら長時間煮込んだあとこしたもの。スープのベースとなるほか、煮込み料理などに広く用いられる。◇「スープストック」「ブロス」ともいう。
②市販されている固形または顆粒状の洋風だしの素。
出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報
ブイヨン
bouillon; broth
鶏肉,牛肉,豚肉,魚肉またはその骨などを煮出したスープ。ブイヨンはフランス語で,英語ではストック,日本では出し汁にあたる。料理の素汁として使うが,別に細菌の液状培地として利用する。
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デジタル大辞泉
「ブイヨン」の意味・読み・例文・類語
ブイヨン(〈フランス〉bouillon)
1 西洋料理の基本材料の一。肉・骨・魚類などと香辛料・香味野菜などをいっしょにして長時間煮込んで作る煮出し汁。スープ・ソースのもとにする。
2 細菌の培養に用いる肉汁。
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ブイヨン
〘名〙 (bouillon) 鳥獣類・魚介類の肉や骨の煮出し汁。スープの素として使う。ブロッス。〔モダン辞典(1930)〕
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出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
ブイヨン【bouillon】
スープのもとに使う,牛や鶏の肉,これらの骨に,香味野菜,香辛料などを加えて水から煮出した汁。本来はフランス語で,沸騰するという意味のブイイールbouillirに由来し,材料はなんであれ,それを水に入れて沸騰させて得られた煮汁のことを指す。 基本的な作り方は次の通り。でき上がり約5l分として,なべに牛のすね肉1.5kg,鶏肉1/2羽,鶏がら3羽,水10lを入れ,強火にかけ沸騰したら弱火にしてあくを取る。
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世界大百科事典内のブイヨンの言及
【肉エキス】より
…これらはいずれも呈味成分として知られており,うま味に富み,スープベースやだしとして古くから用いられてきた。 欧米においては各家庭特有のブイヨンbouillon(牛肉,鶏肉などでとっただし)をつくり,スープ,ソースなどのベースとして用いており,東洋においても,中国料理では豚骨,鶏がらあるいは魚介類などでとっただしが湯(タン)などのベースとして昔から利用されている。日本でも,カツオ,コンブなどの煎汁(いろり)が昔から利用され,これが鰹節やだし昆布などの調味用食品として発展してきた。…
【スープ】より
…西洋料理の汁物の総称。現在では主として牛肉や鶏肉,または魚の骨やあらに香味野菜を加え,煮出してとっただし(ブイヨン)をベースとし,これを澄ませたり,野菜や肉,魚などをさまざまな形で加えたりした液状の食物を指す。英語のスープの語源となったフランス語スープsoupeは,もともと〈ブイヨンに浸して食べるパン切れ〉のことで,12世紀ころからこの意味で用いられ,14世紀になると〈パン入りのブイヨン〉を意味するようになった。…
【肉エキス】より
…これらはいずれも呈味成分として知られており,うま味に富み,スープベースやだしとして古くから用いられてきた。 欧米においては各家庭特有のブイヨンbouillon(牛肉,鶏肉などでとっただし)をつくり,スープ,ソースなどのベースとして用いており,東洋においても,中国料理では豚骨,鶏がらあるいは魚介類などでとっただしが湯(タン)などのベースとして昔から利用されている。日本でも,カツオ,コンブなどの煎汁(いろり)が昔から利用され,これが鰹節やだし昆布などの調味用食品として発展してきた。…
※「ブイヨン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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