日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
フローリー(Sir Howard Walter Florey)
ふろーりー
Sir Howard Walter Florey
(1898―1968)
イギリスの病理学者。オーストラリアのアデレード生まれ。1921年アデレード大学を卒業し、翌1922年オックスフォードのモードレン校に転じ、ついでケンブリッジ大学で学び、1925年アメリカに遊学した。1927年イギリスに戻り、ケンブリッジ大学の研究員、病理学講師となり、1931年シェフィールド大学病理学教授、1935年オックスフォード大学病理学教授となった。チェインとともに、A・フレミングの発見(1928)以降放置されていたペニシリンの研究を始め、1939年その粗結晶の抽出に成功した。人体による試験も行って治療効果を明らかにした。1941年アメリカに渡り、製薬会社などにペニシリンへの関心を抱かせ、大量生産への道を開いた。1944年ナイトに叙せられ、1945年ペニシリンとその抗菌効果の発見により、フレミング、チェインとともにノーベル医学生理学賞を受けた。
[藤野恒三郎]
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