フレネル回折(読み)フレネルカイセツ

デジタル大辞泉 「フレネル回折」の意味・読み・例文・類語

フレネル‐かいせつ〔‐クワイセツ〕【フレネル回折】

Fresnel diffraction》光の回折現象の一。光源または観測点が、回折物体から有限距離にあり、そのため、光を平面波と近似できない場合をさす。フランスの物理学者フレネルの名にちなむ。→フラウンホーファー回折

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法則の辞典 「フレネル回折」の解説

フレネル回折【Fresnel's diffraction】

回折点から光源までの距離,あるいは観測点までの距離の少なくとも一方が有限であるような場合の回折をいう.両者とも無限の場合にはフラウンホーファー回折*となる.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフレネル回折の言及

【回折】より

… 回折によって光が影の部分にまわり込むところに写真乾板をおくと,写真乾板には回折光の強さの変化に応じた明暗の縞ができ,これを回折像と呼ぶ。光の回折には,フレネル回折とフラウンホーファー回折がある。平行光(したがって光源は無限遠にある)でスリットや障害物を照明して,有限の距離で回折現象をとらえるものが前者であり,無限の距離でそれをとらえるものが後者である。…

【光】より

…この閉曲面を遮光板に沿ってそのうしろ側にとれば,光が入射するところは遮光板の開口部分のみであるから,積分は開口部分について行えばよい。 光源と観測点とが遮光板の開口部分から有限の距離にある場合をフレネル回折,無限遠にある場合をフラウンホーファー回折という。レンズに平面波を入射するとき,光は1点に集まらず広がってしまうが,これはレンズの直径を開口とするフラウンホーファー回折のためであり,焦点面においては中心がもっとも明るく,光の強度は円環状に分布し,明暗が交互の回折像が生ずる。…

※「フレネル回折」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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