フリーデル=クラフツ反応(読み)フリーデル=クラフツはんのう(英語表記)FriedelCrafts reaction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

フリーデル=クラフツ反応
フリーデル=クラフツはんのう
FriedelCrafts reaction

芳香族化合物に,塩化アルミニウムなどのルイス酸を触媒として,ハロゲン化アルキル,アルコール,ハロゲン化アシル,あるいは酸無水物を作用させて,アルキル化あるいはアシル化を行う反応。 C.フリーデルと J.クラフツによって発見された (1877) 。有機化学,有機合成工業に広く応用されている。たとえば,ベンゼンに無水塩化アルミニウムを触媒として臭化プロピルを反応させるとクメンが,また無水酢酸あるいは塩化アセチルを作用させるとアセトフェノンが得られる。ハロゲン化アルキルの代りにオレフィンあるいはアルコールを用いて芳香環にアルキル基を導入することもある。たとえば,ベンゼンとプロピレンによるクメン合成,ベンゼンとエチレンによるエチルベンゼン合成などがある。

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世界大百科事典 第2版 の解説

フリーデルクラフツはんのう【フリーデル=クラフツ反応 Friedel‐Crafts reaction】

芳香族化合物にアルキル基またはアシル基RCO-を導入する反応。1877年,フランスのフリーデルCharles Friedel(1832‐99)とアメリカのクラフツJames Mason Crafts(1839‐1917)の2人の共同研究で発見された。アルキル化とアシル化の2種の反応が知られているが,いずれも触媒として塩化アルミニウムAlCl3のような強いルイス酸を必要とする。(a)アルキル化 ベンゼンなどの活性化されたベンゼン核を有する芳香族炭化水素は塩化アルミニウムの存在下でハロゲン化アルキルと反応して,アルキルベンゼンを与える(式(1))。

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世界大百科事典内のフリーデル=クラフツ反応の言及

【無水酢酸】より

…この反応はセルロースの水酸基のアセチル化にも適用できる。また塩化アルミニウムを触媒にしてベンゼンと反応させるとアセトフェノンが得られる(フリーデル=クラフツ反応)。酢酸ナトリウムの存在下にベンズアルデヒドと反応させるとケイ皮酸を生じる(パーキン反応)。…

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