日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
フラー(Loie Fuller)
ふらー
Loie Fuller
(1862―1928)
アメリカ生まれの舞踊家。おもにパリで活躍した。イリノイ州に生まれる。衣装の長いスカートにくふうを凝らして身体の外形に変化を与え、さらに光線の効果を研究して舞台の下から照明が当たる装置を考え出し、「蛇の踊り」や「蝶(ちょう)の踊り」といわれる踊りで大成功を収めた。この照明はその後のレビューに使われるようになった。1892年からパリのフォリ・ベルジェールと契約し、ミュージック・ホール時代の舞姫として、ロンドンのカティ・ランナーとしばしば比較された。1900年のパリ万国博覧会では自身の劇場をもち、川上貞奴(さだやっこ)に提供、川上一座の2回目のヨーロッパ公演のマネージャーでもあった。
[市川 雅]