フランケ(英語表記)August Hermann Francke

デジタル大辞泉 「フランケ」の意味・読み・例文・類語

フランケ(August Hermann Francke)

[1663~1727]ドイツ神学者教育者敬虔主義運動の指導者。貧しい子供のための学校・孤児院や市民学校・教員養成所などを設立して社会福祉貢献

フランケ(〈ドイツ〉Flanke)

登山で、岩稜などの側壁。

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改訂新版 世界大百科事典 「フランケ」の意味・わかりやすい解説

フランケ
August Hermann Francke
生没年:1663-1727

ドイツの敬虔主義の神学者,教育者。言語的才能に恵まれライプチヒ大学で教える。シュペーナー感化で回心(1687)したのち,正統主義圧迫によりハレ大学へ移る。この後ハレは敬虔主義の聖地となる。それは全ヨーロッパを越えて北アメリカ,南アフリカにまで広がり,インドへの伝道もなされ,かの地から人々はハレにきたった。彼の功績聖書学の促進,ことに教育面にめざましい。貧民学校につづき市民学校,孤児院,より上級のペダゴギウム,ラテン語学校さらに教員養成所を設立した。実業教育を導入し,ドイツ語での教育,質問法を重視した。彼のプロイセン・ドイツ国民教育に与えた影響は大きい。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランケ」の意味・わかりやすい解説

フランケ
Francke, August Hermann

[生]1663.3.22. リューベック
[没]1727.6.8. ハレ
ドイツの敬虔主義者,教育者。エルフルトキールなどで修学。 P.シュペーナーの影響を受け,ライプチヒ大学講師のかたわら聖書学校を創始。 1692年から終生ハレ大学教授として,また牧師として東洋語や神学を講じ,ハレは敬虔主義の中心となった。同地に貧民学校ほか各種施設を創設。

フランケ
Franke, Otto

[生]1863.9.27. ゲルンローデ
[没]1946.8.5. ベルリン
ドイツの東洋史学者。中国の研究者として著名。若いときから北京のドイツ公使館に勤め,領事として中国各地に駐在 (1888~1901) 。 1919年ハンブルク大学教授,23年ベルリン大学教授。主著『中華帝国史』 Geschichte des chinesischen Reiches (5巻,30~52) 。

フランケ
Meister Francke

[生]1380/1390頃.ハンブルク
[没]1430以降
ドイツの画家。 1400~25年,ハンブルクを中心に活躍したことが確証されている。強い個性を示し,以後の北ドイツの祭壇画に影響を与えた。作品は『聖トマス・ア・ベケットの祭壇画』 (1424,断片,ハンブルク美術館) 。確かではないが,『聖バルバラの祭壇画』 (20~25,フィンランド国立美術館) も彼の作とされる。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「フランケ」の解説

フランケ
Otto Franke

1863~1946

ドイツの中国研究の第一人者。1899~1901年外交官として北京に勤務。帰国後,本格的な中国研究に従事し,時事や外交でも盛んに意見を述べた。ハンブルク大学教授,つづいてベルリン大学教授となり,独自の歴史研究法を創始した。1930年には代表作『支那通史』を刊行した。

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世界大百科事典(旧版)内のフランケの言及

【角巻】より

…地域によっては三角形に折ることもある。角巻を〈ケット〉とか〈フランケ〉とよぶ地域があるが,この名は毛布の英語ブランケットblanketにちなむ。【日浅 治枝子】。…

【敬虔主義】より

シュペーナーが敬虔主義運動の創始者とみなされており,彼の〈コレギア・ピエタティス〉の開始(1670)と,著作《敬虔なる願望》の公刊(1675)は時代を画した。その後フランケによりハレが中心地となる。ハレで学んだツィンツェンドルフはのちにヘルンフート兄弟団を設立し,ハレ派の意志強調に対抗して感情重視の立場を尊重した。…

【孤児院】より

…16世紀末期以後,イギリスのロンドン,ブリストル,シュルーズベリーの都市では孤児院が設けられたこともある。また,ドイツのハレにA.H.フランケが1698年に開設した孤児院や,スイスのシュタンツにあった18世紀末のJ.H.ペスタロッチの孤児院などの例がある。しかし,これらの都市の特例を除けば,乳幼児は里子に出されたり,教区の貧民院で他の貧民といっしょに養育された。…

【遊戯】より

…その極が17世紀末の敬虔主義者Pietistにみられる。彼らの遊戯観を代弁するA.H.フランケは,遊戯は性来罪深いものであり,魂の救済に必要なことを人間に行わせまいとする悪魔のささやきにほかならない。それゆえに,遊戯は厳しいしつけによっていっさいの教育の場から完全に閉め出されなければならないと述べる。…

※「フランケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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