フライ(Roger Eliot Fry)(読み)ふらい(英語表記)Roger Eliot Fry

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フライ(Roger Eliot Fry)
ふらい
Roger Eliot Fry
(1866―1934)

イギリスの美術批評家、画家ロンドンに生まれ、同地に没。ケンブリッジ大学で自然科学を専攻したのち、美術の研究に転向。初めはイタリア・ルネサンスに深い関心を寄せ、ベッリーニジョットに関する著作を残した。1910年まで約4年間、ニューヨークのメトロポリタン美術館キュレーターなどを勤める。10年と12年の二度にわたるロンドンのグラフトン画廊での展覧会でゴッホゴーギャンセザンヌなど「後期印象派」の画家をイギリスに紹介したことは有名。11年以降、C・ベルらとともにブルームズベリー・グループの中心として活躍し、オメガ工房を主宰(1913~19)して陶器織物など日用工芸品を制作。著書に『ビジョンとデザイン』(1920)、『セザンヌ』(1927)などがある。

[谷田博行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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