フナ(鮒)(読み)フナ

百科事典マイペディア 「フナ(鮒)」の意味・わかりやすい解説

フナ(鮒)【フナ】

コイ科の魚。コイに似るが口ひげのない点で区別される。背面は緑褐〜灰褐色。腹面は淡い。体長20〜40cm。アジアの温帯部に広く分布し,山間の渓流部を除く河川湖沼にすむ。冬は水底に静止し,春活動を開始。小型の甲殻類,昆虫,植物などを食べる。分類学上,論議の多い魚。最も大型になるゲンゴロウブナヘラブナ),ほとんど日本全土に分布し関東で釣の対象として喜ばれるギンブナマブナ),関東以北の本州に多いキンブナキンタロウ),琵琶湖特産でふなずしに用いられるニゴロブナ諏訪湖に多いナガブナ(アカブナ)などの亜種に分かれる。いずれも食用となる。テツギョキンギョフナから変化したものである。またヨーロッパには近縁のヨーロッパフナが生息する。ゲンゴロウブナとニゴロブナは絶滅危惧IB類,キンブナは絶滅危惧II類(環境省第4次レッドリスト)。
→関連項目コイ(鯉)

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android