フッ化鉛(読み)フッカナマリ

化学辞典 第2版 「フッ化鉛」の解説

フッ化鉛
フッカナマリ
lead fluoride

PbF2(245.20).Pb(OH)2またはPbCO3をフッ化水素酸に溶かし,蒸発させるか,水溶液中で酢酸鉛とKFまたはHFとを反応させるか,Pbと F2 との直接反応などで得られる.構造は2形がある.α形は室温で安定な無色の斜方晶系結晶.Pb原子のまわりのF原子は三面冠三角柱型九配位.密度約8.44 g cm-3.Pb-F約2.41~3.03 Å.F原子を互いに共有してつながっている.水に微溶.HNO3 酸性水溶液では溶解度が増す.有毒.β形は蛍光構造の高温型.Pb原子のまわりに8個のF原子が配位している.密度約7.77 g cm-3.Pb-F約2.55~2.57 Å.転移温度316 ℃.結晶はレーザー用,電子および光学器械用などに用いる.[CAS 7783-46-2]【】Pb F4(283.2).PbF2を F2 と反応させると得られる.無色の吸湿性の結晶.密度約6.7 g cm-3.水で分解されてPbO2になる.炭化水素と反応してこれをフッ素化する.[CAS 7783-59-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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