フジャイラ(英語表記)al-Fujayra

デジタル大辞泉 「フジャイラ」の意味・読み・例文・類語

フジャイラ(Fujairah)

アラブ首長国連邦を構成する7首長国の一。連邦で唯一ペルシア湾に接さずオマーン湾に臨む。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「フジャイラ」の意味・わかりやすい解説

フジャイラ
al-Fujayra

アラビア半島東部,アラブ首長国連邦の構成国。英語ではFujairaとも。連邦中唯一オマーン湾に面する。面積1150km2,人口12万6000(2005)。フェニキア時代の遺物も発見されているが,以後の歴史はあまり明らかになっていない。シャルジャやラス・アルハイマと同様,もともとはカワーシム族の支配下にあったが,19世紀以降はシャルキー族が実質的に統治。首長国としての公式の独立は1952年で,1971年,アラブ首長国連邦結成に参加した。伝統的に農業漁業が大きな役割を果たしてきたが,現在は財政的に同じ連邦のアブ・ダビー,ドバイに依存している。今日では観光やフジャイラ港を中心とする物流にも力を入れている。フジャイラ港はシャルジャの飛地であるホウル・ファッカーン港とならんで連邦内で唯一インド洋(オマーン湾)に面しているという地の利を生かし,物流の拠点としての地位を確立している。政府は工業にも力をいれ,すでに大理石,タイル,コンクリート・ブロック,タイヤ,靴,セメント石綿などの工場が立地している。またマンガンクロム,銅などの未開発の資源もある。16世紀以降のヨーロッパ人との抗争の拠点の一つで,300年前に建てられた要塞があり,古い武器ばかりを集めた博物館もある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フジャイラ」の意味・わかりやすい解説

フジャイラ
Fujairah; al-Fujayrah

アラブ首長国連邦を構成する首長国の一つ。ペルシア湾岸に領土をもたず,海岸線はすべてオマーン湾に面する。シャルジャ首長国の飛び地その他によって,この国は2つの部分に分けられているが,北部分はルウースアルジバール岬の南にあたり,首都フジャイラを含む南部はオマーンと南で国境を接する。首都フジャイラ南方の海岸にはシャルジャ首長国の飛び地などが入込み,このあたりの国境線は判然としない。 19世紀にはこの国はシャルジャの一部と考えられていたが,1886年までには事実上独立国となり,1952年イギリスもこれを承認した。 71年アラブ首長国連邦成立にあたり,その構成国となる。経済的には,山地でわずかな農業が,海岸部で漁業が営まれる。面積 1300km2。人口6万 3000 (1991推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android