フジウツギ科(読み)フジウツギか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フジウツギ科」の意味・わかりやすい解説

フジウツギ科
フジウツギか
Loganiaceae

双子葉植物シソ目の1科。新旧両大陸の熱帯から暖温帯にかけて約 10属 150種ほどが知られる。低木または高木で,葉は対生し全縁の単純形である。花は4数性で管状の合弁花冠をつくり,花冠の上端部は浅く4裂する。おしべも4本あってこの花筒の内側につく。果実蒴果または核果状の液果となる。日本には各地の河原などにフジウツギが自生するほか,中国産の種類 (フサフジウツギ) の園芸品種がブッドレアの名で観賞用に栽培されている。なお,かつてはマチン科その他のいくつもの雑多な植物群をひとまとめにして広義のフジウツギ科 (英名は Loganiaceaeとする) と分類していた。マチンクラーレなどの有毒な植物群がそのなかに含まれた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フジウツギ科」の意味・わかりやすい解説

フジウツギ科
ふじうつぎか
[学] Buddlejaceae

双子葉植物、合弁花類。落葉性の低木。葉は対生し、単葉で基部に托葉(たくよう)状の突起がある。花は小さく、多数集まって総状花序または頭状花序をつくり、両性放射相称。花冠は細い筒状で先は四裂し、2本の雄しべが花筒内につく。子房は二室、多数の胚珠(はいしゅ)がある。果実は普通は蒴果(さくか)まれに液果、多数の種子がある。熱帯から温帯に10属約150種分布する。日本にはフジウツギ属の2種フジウツギとフサフジウツギが野生し、フサフジウツギは園芸上は属名であるブッドレアの名でよばれ、よく栽培される。しばしばマチン科といっしょにされることがあるが、系統的にはまったく別のものである。

山崎 敬]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のフジウツギ科の言及

【フジウツギ】より

…日当りのよい山地の河岸などにはえるフジウツギ科の落葉性の低木。有毒植物で,魚を麻酔させる作用がある。…

※「フジウツギ科」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android