フォリン-チオカルト試薬(読み)フォリンチオカルトシヤク

化学辞典 第2版 の解説

フォリン-チオカルト試薬
フォリンチオカルトシヤク
Folin-Cioculteu's reagent

タンパク質定量用にO. FolinとV. Ciocalteu(1927年)により考案された試薬.試薬は,タングステン酸ナトリウム(Na2WO4・2H2O)100 g,モリブデン酸ナトリウム(Na2MoO4・2H2O)25 g,水100 mL に,85% リン酸50 mL,濃塩酸100 mL を加えて10 h 緩やかに沸騰還流させたのち,硫酸リチウム150 g,水50 mL,臭素数滴を加えて15 min 沸騰させて過剰の臭素を除去し,冷却後1 L に希釈して濾過したものを用いる.pH 10付近で,この試薬をタンパク質に作用させると,チロシントリプトファンおよびシステイン残基と反応して青藍(らん)色を呈する.尿素,グアニンキサンチンフェノール類とも反応して呈色がみられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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