日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
フォックス(Charles James Fox)
ふぉっくす
Charles James Fox
(1749―1806)
イギリスの政治家。アメリカ独立戦争期からホイッグ党に属し、1782年ロッキンガム内閣の外相。ロッキンガム侯の死後、ホイッグ党の指導者となり、翌1783年、再度外相。彼は、国王は議会の多数党の意志に従って大臣を任免すべきだと主張してジョージ3世と激しく対立、1783年末に更迭されて以後、ジョージ3世とピット(小)首相に対する野党活動を展開した。1790年代にはフランス革命に対する干渉と国民の政治的自由の抑圧に反対する一方、穏健な議会改革を主張して、ホイッグ党の自由主義的な路線を確立した。1806年のピット(小)の死後、グレンビルWilliam Wyndham Grenville(1759―1834)と協力して組閣し、外相となったが、まもなく病没した。彼が提案した奴隷貿易廃止は、翌1807年に実現をみた。
[青木 康]
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