フェリー(Jules François Camille Ferry)(読み)ふぇりー(英語表記)Jules François Camille Ferry

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フェリー(Jules François Camille Ferry)
ふぇりー
Jules François Camille Ferry
(1832―1893)

フランスの政治家。第二帝政末期の反帝政活動で知られ、1869年帝政最後の総選挙で急進共和派代議士となった。しかし第三共和政実現後は穏和共和派の領袖(りょうしゅう)として、急進派の主張する左翼的諸改革の遂行を避ける政策をとり、「日和見(ひよりみ)主義」派の巨頭と目された。彼は1879~1885年の間に文相、首相として、内政面ではカトリックの反共和主義的活動を封じるため、無認可修道会の解散、非宗教的初等義務教育制の創設に、また対外面では伝統的植民帝国主義政策をとって、インドシナ征服に力を尽くし、それぞれにみるべき成功を収めた。

石原 司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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