日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェネックギツネ」の意味・わかりやすい解説
フェネックギツネ
ふぇねっくぎつね
fennec fox
[学] Vulpes (Fennecus) zerda
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。最小のキツネ類で、ヌビアからアルジェリアまでと、シナイ半島およびアラビアの砂漠や半砂漠地帯に、雌雄一対ですむ。頭胴長36~41センチメートル、尾長18~31センチメートル、体重0.8~1.5キログラムと小さいが、耳介は異常に大きく15センチメートル以上に達し、体温を冷却するのに適する。足の裏には毛が密生し、砂地を歩くのに適し、体の毛は砂色で保護色として役だつ。尾端は黒色。昼は自分で掘った涼しい穴の中で過ごし、夜、穴から出てトビネズミ、アレチネズミ、小鳥、トカゲ、昆虫などを捕食する。3~5月に1~5子を産む。
[今泉吉典]
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