フィリピン大学(読み)ふぃりぴんだいがく(英語表記)University of the Philippines

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フィリピン大学」の意味・わかりやすい解説

フィリピン大学
ふぃりぴんだいがく
University of the Philippines

アメリカ統治下の1908年、第1回フィリピン議会の法令(1870号)によって設立された大学。最初は芸術、医学、農学カレッジで出発したが、1933年には15カレッジを有するまでに発展した。フィリピン独立(1946)後も発展を続け、マニラ郊外ディリマンDilimanにある本部キャンパスのほかに、マニラ、ロス・バニョスLos Baños、ビサヤVisaya、ミンダナオに自治権をもつ独立のキャンパスがある。このほかにオープン・ユニバーシティ(公開大学)およびバギオセブタクロバンの各地に分校(カレッジ)を有する同国最大規模の大学に成長。

 1999年現在、ディリマン校には、建築学、人文学、経営管理学、教育学、工学、美術学、家政学、法学、マス・コミュニケーション学、人間運動学、音楽、公共行政学、理学、社会科学・哲学、社会福祉・地域開発学、ロス・バニョス校には農学、森林・自然資源学、文理学、経済・管理学、農工学、人間生態学、獣医学、マニラ校には文理学、医学、薬学歯学、看護学、公衆衛生学、ビサヤ校には水産学、経営学、文理学、ミンダナオ校には理学、人文・社会科学の各学部などが設置されている。専任教員数は約4400人、学生数は約4万8000人。

[馬越 徹]

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大学事典 「フィリピン大学」の解説

フィリピン大学[フィリピン]
フィリピンだいがく

フィリピンの国立大学。1908年に大学法によって設立された。ディリマン校,マニラ校,ロスバニョス校,ヴィサヤ校,ミンダナオ校,バギオ校,セブ校の7校と一つのオープン・ユニバーシティをもつ。教育理念は「国家を形成する知性を育てる(shaping minds that shape the nation)」。フィリピンにおける旗艦大学であり,これまで7人の大統領筆頭に多くの最高裁判事,医者,弁護士等を輩出している。学生は国民の学者(フィリピン)(scholar of the nation)と呼ばれている。教育研究に対する競争的資金を国内で最も多く獲得しており,2015/16年のQS社の大学ランキングではアジア70位。入学は難関で,入試倍率は5倍を超える。入学試験は,UPCAT(University of the Philippines College Admission Test)と呼ばれる大学独自の試験と高校の成績によって判定される。国立大学であるため授業料は低く抑えられており,家庭の収入によって授業料が減額される措置もある。2011年の学生数は学部学生4万1991人,大学院学生1万414人。
著者: 中井俊樹

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィリピン大学」の意味・わかりやすい解説

フィリピン大学
フィリピンだいがく
University of the Philippines

1908年にフィリピン最初の国立高等教育機関として創設された総合大学ケソンシティーのディリマン校およびバギオ,セブなどの分校のほか,半自治的なロスバニョス校,マニラ校,ビサヤ校から構成される。経済,産業海洋科学などの研究機関を多数有し,図書館は同国内最多の蔵書数を誇る。学生数約3万 7500名,教員数約 3400名 (1997) 。

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