ファン・アイク兄弟(読み)ふぁんあいくきょうだい

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ファン・アイク兄弟」の解説

ファン・アイク兄弟(ファン・アイクきょうだい)

ファン・エイク兄弟

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のファン・アイク兄弟の言及

【静物画】より

… 中世には,キリスト教思想が現実の外観の写実を軽視したため静物画はまったく姿を消すが,自然や現実に対する新しい感受性が芽生えた14世紀になってようやく復活の兆を見せるに至り,ジョットの弟子ガッディの手によって,古代風の壁面装飾の枠内にとどまるものとはいえ,独立した最初のキリスト教的静物表現が生み出された。15世紀には静物に対する興味はさらに増大するが,その傾向は,汎神論的自然観に支えられて森羅万象に等しく関心を注ぎ,それを油彩技法で精緻に描出したファン・アイク兄弟らネーデルラントの画家たちにとくに顕著であった。しかし,この時代の静物の大半は宗教的観念(たとえば聖母の純潔)の象徴物として宗教画の一部をなすにとどまり,それ自体単独に描かれたのは絵の裏面などの副次的部分に限られていた。…

【風景画】より

…しかしビザンティン美術やロマネスク絵画では極度に図式化されたパターンをもって風景または自然を暗示するにとどまり,13世紀末に至ってジョット(例,アッシジの〈フランチェスコ伝〉)やマルティーニ(例,シエナ,パラッツォ・プブリコの《傭兵隊長グイドリッチョ・ダ・フォリアーノの騎行図》)の作品に,物語の展開の場として空間的奥行きと広がりをもつ風景描写が出現した。すでに触れたごとく,14世紀中葉,A.ロレンツェッティにより中景表現が導入され,それにおよそ半世紀遅れてファン・アイク兄弟らの初期ネーデルラントの板絵において,観者はみずからの足でそこをくまなく歩きうるかに感じる風景(例,《ヘント祭壇画》)が完成される。北方絵画の風景表現は,油彩技法への驚異とあいまってイタリア・ルネサンス美術に多大の刺激を与え,ピエロ・デラ・フランチェスカ(例,《ウルビノ公夫妻像》)やレオナルド・ダ・ビンチの諸作品における風景描写を生むに至った。…

※「ファン・アイク兄弟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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