ファテープル・シークリー(読み)ファテープルシークリー

百科事典マイペディア の解説

ファテープル・シークリー

インド北部,ウッタル・プラデーシュ州アーグラの西約40kmの丘陵にあるムガル帝国の都跡。1574年アクバル帝によって建設され,十数年にわたって帝国の都が置かれた。周囲約11kmの都跡には宮殿モスク隊商宿などが完全な形で残っている。最大の建物は東西168m,南北143mの礼拝堂ジャーミ・マスジドで,ここには遷都のきっかけをつくったと伝えられる聖者サリーム・チスティーの墓がある。1986年,世界文化遺産に登録。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説

ファテープル・シークリー
Fatehpur Sīkrī

インド,アーグラー南西にあるムガル帝国城砦で,1571年アクバルによって建設され,一時帝国の副都とされた。赤砂岩を主材とする各種の建物からなる壮大な王城で,柱などの文様にはヒンドゥー様式がかなり取り入れられており,アクバル時代の建造物好例である。

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世界遺産情報 の解説

ファテープル・シークリー

アグラ近郊にあるファテープル・シークリーは、ムガール帝国第3代アクバル皇帝が息子誕生を予言した聖者への感謝として築いたといういわれのある城です。14年間住んだだけで遷都してしまい、そのまま廃墟となったため400年前の建物がそのままの形で残されています。アクバル皇帝は領土の安定統治のため宗教融和策をとり、そのあらわれとしてイスラム建築とインドの伝統技術を融合させたアクバル式と呼ばれる独自の建築様式でファテープル・シークリーを築きました。

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