ファイン・アーツ(読み)ふぁいんあーつ

世界大百科事典(旧版)内のファイン・アーツの言及

【芸術】より

… さて建築をはじめ自由学科に数えられなかった職人的技術の地位を高めたのはルネサンスの巨匠たちであり,その後,諸芸術の躍動につれて18世紀には芸術を統一的にとらえる企ても生じ,やがて美・芸術の原理学たる美学の成立をみるまでになった。この過程で近代の努力が確認したのは〈美的価値の実現〉こそ芸術を他の技術から区別する核心ということであり,この見方は万人の賛同をえて芸術は〈美しい技術〉(ファイン・アーツfine arts,ボーザールbeaux‐arts,シェーネ・キュンステschöne Künste)と呼ばれ,ついに19世紀以降今日では形容詞fineなどを省く名詞だけで芸術を意味するにいたり,この用法を先人は日本にも導入したのであった。
[美と芸術]
 美しいものは目に見え,耳に聞こえ,心に訴えてくる。…

【工芸】より

…工芸の概念は,これまでしばしば変化してきた。その変化は他律的であった。〈工芸〉において何が本質的なのかということが,その時々の工芸を外側から取り囲む条件によって,そのつど決定されてきたからである。今日一般的に工芸品と考えられている器物の一つ一つに対する概念は,変化していないにもかかわらず,各種器物をひとくくりにして形成される工芸の概念だけが変わってきたのである。たとえば,コップの機能性や形態は本質的にはいつの時代でも変わらない。…

【美術】より

…〈美術〉という語は東洋古来のものではなく,西洋でいうボーザールbeaux‐arts(フランス語),ファイン・アーツfine arts(英語),ベレ・アルティbelle arti(イタリア語),シェーネ・キュンステschöne Künste(ドイツ語)などの直訳であり,日本では明治初期以降用いられた。美の表現を目的とする芸術を意味し,したがって絵画,彫刻,建築,工芸などのほか,詩歌,音楽,演劇,舞踊などをも含むものとされた。…

※「ファイン・アーツ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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