ピーターバラ(英語表記)Peterborough

デジタル大辞泉 「ピーターバラ」の意味・読み・例文・類語

ピーターバラ(Peterborough)

英国イングランド東部の都市。ネン川が市内を流れ、フェンとよばれる低湿地があり、農業地帯でもある。7世紀にピーターバラ大聖堂前身修道院が置かれて以降、中世から近世にかけて宗教の中心地だった。ピーターボロ
カナダ、オンタリオ州南東部の都市。トロント北東約110キロメートル、オトナビー川沿いに位置する。トレントセバーン水路をはじめ、古くから水上交通が発達し、カナディアンカヌー博物館がある。周辺に湖が点在し、保養地として知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ピーターバラ」の意味・わかりやすい解説

ピーターバラ
Peterborough

イギリス,イングランド中東部,ケンブリッジシャー北部(旧,ハンティンドン・ピーターバラ州)にある商工業都市で,1974年までは旧州内の行政中心でもあった。人口15万8800(2003)。中世前期にはメデシャムステッデと呼ばれた。ニーン川の中流ウォッシュ湾からの遡航限界点に位置し,水陸交通,農産取引の重要な中心地で,ディーゼル機関,農業機械,食品などの工業も行われる。
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町の中央に建つ大聖堂は,同市の守護聖人ペテロ(ピーター)にささげられている。656年に創設されたベネディクト会修道院が起源。870年のデーン人による破壊ののち建て直された建物が,さらに1116年に火災にあい,18年以降再建されたものが現在の教会堂である。身廊の壁面構成(3層式)は,ノルマン様式典型を示す。繊細に仕上げられた木造天井には,1220年ごろ聖人らの像が描かれた。13世紀初頭,三つの大尖頭アーチをもつ堂々たる西正面部(初期イギリス様式)がつけ加えられ,1238年献堂。ピューリタン革命期に,堂内は議会派によって破損を被った。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピーターバラ」の意味・わかりやすい解説

ピーターバラ
Peterborough

イギリスイングランド中東部の都市。単一自治体(ユニタリー unitary authority)。中心部はノーサンプトンシャー県,東部はケンブリッジシャー県,ニーン川南部はハンティンドンシャー県に属していた地域からなる。1974年の自治体再編でケンブリッジシャー県の一部となり,1998年に単一自治体となった。ケンブリッジ北西約 50km,フェン地方と呼ばれる低地の西縁部にあり,ニーン川に臨む。1118年に建造が始まった聖ピーター大聖堂を中心に発展した町で,14世紀には羊毛産業の中心地となり,織物梳毛の生産が行なわれた。広大な湿地帯であったフェン地方が,17世紀半ば以降本格的な排水事業により干拓され農業地帯となってからは,農産物を集散する市場町として発展。19世紀半ば鉄道が通じてから工業が発達し,ディーゼルエンジン蒸気タービン,ポンプ,電気器具,果実・野菜缶詰,製糖(甜菜糖)などの工業が行なわれている。ロンドンエディンバラを結ぶ鉄道が通り,接続地点であるため倉庫や流通業に適している。面積 343km2。人口 15万9700(2005推計)。

ピーターバラ
Peterborough

カナダ,オンタリオ州南東部の都市。トロントの北東約 110km,オトナビー川河畔に位置する。 1821年 A.スコットが比高差 15mの滝を利用した製材所,製粉所を建設。 25年 P.ロビンソンに引率されたアイルランドの移住者約 2000人が入植。地名はその引率者の名にちなみ命名。商工業の中心地,電気機械,ボート,船舶設備,時計,食品工業が行われる。人口6万 8371 (1991) 。

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