ピンドス山脈(読み)ピンドスさんみゃく(英語表記)Orosirá Píndhou

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピンドス山脈」の意味・わかりやすい解説

ピンドス山脈
ピンドスさんみゃく
Orosirá Píndhou

ギリシアバルカン半島部の脊梁山脈アルバニアとの国境付近から南南東へ 150km以上にわたって延びるが,しばしば北はアルバニア領内の山地,南はティムフリストス山地,さらにコリンシアコス湾に迫るギオナ山地までも含める。最高峰は北部のスモリカス山 (2637m) 。地質的にはバルカン半島のディナルアルプスの延長で,中核は結晶片岩,蛇紋岩,花崗岩などから成るが,横谷によりいくつもの小山脈に分断されている。東のセサリア (古代名テッサリア) ,西のイピロス (同エピルス) 両地方の分水界をなし,アリアクモン,ピニオス,アラフソス,アヘロオスなどのギリシアの主要河川の水源となっている。斜面はカシモミ,ブナ,マツなどの森林におおわれ,雪どけ後,森林限界より上の斜面はヒツジの放牧場となる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピンドス山脈」の意味・わかりやすい解説

ピンドス山脈
ぴんどすさんみゃく
Píndos Óros

ギリシア中西部を南北に縦走する険しい山脈。バルカン半島西岸を走るディナル・アルプスの南の延長で、片岩、蛇紋岩、花崗(かこう)岩など、噴出岩変成岩からなる。北はアルバニア南東部から始まり、イオニア海側のエピルス地方とエーゲ海側のテッサリア地方とを分ける本土脊梁(せきりょう)山脈となり、その余脈はペロポネソス半島やエーゲ海の島々に及んでいる。最高峰はスモリカスSmolikas山(2637メートル)。

[真下とも子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android