ピット

精選版 日本国語大辞典 「ピット」の意味・読み・例文・類語

ピット

[一] (William Pitt, 1st Earl of Chatham ウィリアム━、ファースト=アール=オブ=チェタム) イギリスの政治家。国務相として七年戦争遂行に専心し、植民地支配の拡大に努め、大英帝国発展の基礎を築いた。一七六六~六八年連立内閣首相。通称、大ピット。(一七〇八‐七八
[二] (William Pitt ウィリアム━) イギリスの政治家。大ピットの次男で、通称、小ピット。一七八三年首相となり、自由貿易主義をとって財政改革に尽力した。フランス革命ナポレオン戦争には対仏大同盟を組織して難局に対処。一八〇一年辞職したが、一八〇四~〇六年再度首相。(一七五九‐一八〇六

ピット

〘名〙 (pit 穴の意)
陸上競技跳躍競技で、競技者が着地する場所。〔モダン用語辞典(1930)〕
ボウリングで、倒されたピンが落ちる場所。
自動車オートバイレースで、レース中に必要な燃料補給や修理などのための整備所。

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デジタル大辞泉 「ピット」の意味・読み・例文・類語

ピット(pit)

穴。くぼ地。
鉱山や炭坑の立て坑。
陸上競技で、跳躍競技に使われる着地場所。マットや砂場など。
ボウリングで、倒されたピンが落ち込む所。
自動車レースなどで、燃料補給やタイヤ交換・修理などを行う整備所。
コンパクトディスクDVDブルーレイディスクなどの光ディスクの表面にある、データを記録するためのくぼみ。追記や書き換えが可能な光ディスクの場合は、物理的なくぼみではなく、レーザーによる化学的な相転移を起こすことでデータを記録する。→最小ピット長

ピット(Pitt)

(William ~)[1708~1778]英国の政治家。通称、大ピット。七年戦争時代、国務相として戦争を指導。インド・北アメリカにおいてフランス勢力を打破し、大英帝国の基礎を固めた。
(William ~)[1759~1806]英国の政治家。通称、小ピット。の次男。24歳で首相となる。逼迫ひっぱくした財政を国債の処理と関税の軽減などによって再建。フランス革命に際しては、対仏大同盟を組織した。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ピット」の解説

ピット

「pit」は「穴」、「くぼみ」の意。記録面の凹凸部分にレーザー光を照射し、その反射光の光密度の変化によって記録された情報を読み取るCDにおいて、凹の部分をピット、凸部分をランド(land)と呼ぶ。CDでは、回転したCDのトラックに沿ってレーザーピックアップを移動させる。この際、レーザーピックアップから照射されたレーザー光は、ピットまたはランドに当たって反射し、ピックアップ内のフォトディテクタ(光検出器)に届く。このときピットまたはランドの平たんな部分では、レーザー光がそのまま反射され、反射光の光密度が大きいが、ピットからランド、あるいはランドからピットへの変わり目では、反射光が拡散され、光密度が小さくなる。フォトディテクタは、この光密度の変化を検出し、これを電気信号に変える。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピット」の意味・わかりやすい解説

ピット
Pitt, Thomas

[生]1653.7.5. ドーセット,ブランドフォードセントメリー
[没]1726.4.28. バークシャー,スワローフィールド
イギリスの商人。ピット (大)の祖父。 1674年から東インド貿易に従事。特許状をもたなかったため,83年以降イギリス東インド会社に訴えられたが,94年和解して同会社に入り,97~1709年までマドラス知事。その間,01年マドラスで巨大な盗品ダイヤモンドを入手し,17年フランス王室に 13万 5000ポンドで売却したため,「ダイヤモンド・ピット」と呼ばれた。また下院議員をつとめた (1689,90,1710) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピット」の意味・わかりやすい解説

ピット
ぴっと
pit

くぼみまたは穴の意味であるが、普通には水道管や電線を土中に埋設するための角形の溝やU字形の溝をいう。コンクリートでつくられることが多く、前者を「配管ピット」、後者を「配線ピット」とよんでいる。またピットは、エレベーターの籠(かご)が停止する最下階の床面から下の穴の部分をさすこともある。機械工作のほうでは、溶接部表面に生ずる小さな穴の意味にも使われる。発生の原因は、水分、錆(さび)などによるといわれている。

[小原二郎]

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デジタル大辞泉プラス 「ピット」の解説

ピット

株式会社トンボ鉛筆のスティックのりのブランド名。強力粘着タイプの「ピットハイパワー」、シワが出にくい「シワなしピット」、塗った部分が発色する「消えいろピット」などのシリーズがある。

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