精選版 日本国語大辞典 「ピッチ」の意味・読み・例文・類語
ピッチ
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
翻訳|pitch
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
石炭や木材などの有機物質を乾留して得られるタール、原油、石油留分を熱や触媒を用いて分解した際に得られる副生黒色重質油を蒸留した残留物。常温で固体、高温で溶融して液体となる黒色物質の総称である。ポリ塩化ビニル樹脂の高温下で塩酸の離脱、熱分解によっても得られる。成分は石油系と石炭系とで異なるが、いずれも芳香族縮合環を骨格とし、分子量分布が数百から数千にわたる化合物の混ざり合ったものから構成されている。軟化点の低いほうから高いほうに、軟ピッチ、中ピッチ、高ピッチとよばれる。ピッチのおもな用途は、ピッチコークス製造原料のほか、炭素電極、練炭などを製造するときの成形用粘結材、舗装材、防水材に向けられる。ピッチを改質し紡糸、焼成して炭素繊維がつくられている。
[真田雄三]
石炭,木材などの乾留によって得られたタール,あるいは石油の熱分解によって得られた残油などを蒸留してつくられる,常温では固体の炭素質物質をいう。コールタールピッチは,電極,各種炭素成形物,練炭などの原料として使われる。電極は,アルミニウム製錬,製鋼用電気炉,電池などに用いられる。炭素成形物は,煉瓦,原子炉,電気ブラシ,機械用カーボンなどの用途がある。石油ピッチもまた,コールタールピッチとほぼ同様の用途にあてられるほか,成形炭コークスの原料として用いられる。成形炭コークスは非粘結性の石炭から製造される製鉄用の還元剤であり,ピッチは粘結剤として使われる。ピッチの主成分は縮合多環芳香族で,加熱により重縮合反応が起こって黒鉛型構造になり,いわゆる人造黒鉛として,電導性,熱伝導性,潤滑性などの優れた物性が与えられる。
執筆者:冨永 博夫
音の高低の度合,あるいは水泳やボートで1分間に水をかく回数やオールをこぐ回数などを表すことばとして用いられているが,機械用語としては,次の2通りの意味,用法が重要である。一つは,ねじ山のように,同じ形をしたものが一定の間隔で連続しているときに,その間隔を示す寸法としてのピッチである。すなわち,ねじのピッチは,隣り合うねじ山の間隔寸法,歯車のピッチ(厳密には円ピッチ)は,同様に歯の間隔寸法である。1組の歯車がかみ合って正しく回転を伝えるには,このピッチが等しくなければならない。もう一つは,プロペラが,1回転の間に進む距離で,このピッチを可変にすると,可変ピッチプロペラのように,等速で回転しながらスピードを変えることができる。
執筆者:中島 尚正
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
有機物の熱分解で得られるタールを蒸留した後に残留する炭素質物質.もっとも代表的なものはコールタールピッチで,電極用バインダーやさまざまな炭素材料の原料に用いられる.石油ピッチは,減圧残油を熱分解したときに生成する炭素質物質を意味し,燃料や炭素材料に利用される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
… ねじは,1本のつる巻線に沿ってねじ山を作った1条ねじのほか,2本,3本,さらに一般に多数の平行なつる巻線に沿ってねじ山を作ったものがあり,2条ねじ,3条ねじ,あるいは2条ねじ,3条ねじを含めて多条ねじと総称される。ねじの軸線を含む断面において,互いに隣り合うねじ山の相対応する2点間の軸線に平行な距離をピッチpitchといい,1条ねじの場合はリードに等しいが,多条ねじではリードを条数で割ったものに等しい。 ねじ山のうち,おねじではもっとも外側,めねじではもっとも内側にある部分を山の頂といい,逆におねじではもっとも内側,めねじではもっとも外側にある部分を谷底という。…
…石炭,木材などの乾留によって得られたタール,あるいは石油の熱分解によって得られた残油などを蒸留してつくられる,常温では固体の炭素質物質をいう。コールタールピッチは,電極,各種炭素成形物,練炭などの原料として使われる。電極は,アルミニウム製錬,製鋼用電気炉,電池などに用いられる。炭素成形物は,煉瓦,原子炉,電気ブラシ,機械用カーボンなどの用途がある。石油ピッチもまた,コールタールピッチとほぼ同様の用途にあてられるほか,成形炭コークスの原料として用いられる。…
… ねじは,1本のつる巻線に沿ってねじ山を作った1条ねじのほか,2本,3本,さらに一般に多数の平行なつる巻線に沿ってねじ山を作ったものがあり,2条ねじ,3条ねじ,あるいは2条ねじ,3条ねじを含めて多条ねじと総称される。ねじの軸線を含む断面において,互いに隣り合うねじ山の相対応する2点間の軸線に平行な距離をピッチpitchといい,1条ねじの場合はリードに等しいが,多条ねじではリードを条数で割ったものに等しい。 ねじ山のうち,おねじではもっとも外側,めねじではもっとも内側にある部分を山の頂といい,逆におねじではもっとも内側,めねじではもっとも外側にある部分を谷底という。…
…また断面形状は飛行機の翼と同様な形状をしていて,できるだけ揚力が大きく抗力が小さいようにくふうされている。
[プロペラの形状と作動原理]
プロペラが1回転したとき,ねじと同じように基準の面が進む距離Hをピッチと呼んでいる。図1では90度回転しているから基準面はH/4だけ進んでいる。…
…石油化学が盛んになるまで,石炭からのガスやタールを出発点とする〈石炭化学〉は,化学工業の中の重要な部分を占めていた。また,タールを蒸留した残渣(ざんさ)であるピッチは,電極をはじめ種々の炭素材の原料になる。
[ガス化と液化]
〈ガス化〉は,乾留では原料の石炭の60~70%がコークスとして残ってしまうのに対し,もっと多くのガスを得ようとする方法であり,固体の炭素分を残さないことが理想である。…
※「ピッチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
1/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
12/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新