日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ピカール(Auguste Piccard)
ぴかーる
Auguste Piccard
(1884―1962)
スイスの物理学者、探検家。スイスのバーゼルで双子の弟として生まれた。兄とともにチューリヒ連邦工科大学に入学し、兄は化学工学で、彼は機械学で学位を取得した。1907年にチューリヒ大学、1922年からはベルギーの首都にあるブリュッセル大学の物理学教授となった(~1954)。気球による飛行に興味をもち、1930年にベルギー国立科学研究財団より援助を受け、翌1931年の5月27日に、高度1万6000メートルまでの上昇に成功し、大気電気や放射能を観察するなど高層研究の領域を開いた。また1937年からは深海探査に挑み、1948年に最初の深海潜水調査船バチスカーフを製作した。1960年には息子のジャックの協力を受け、約1万メートルの潜水に成功した。
[河村 豊]
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