ビーフステーキ(読み)びーふすてーき(英語表記)beef steak

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビーフステーキ」の意味・わかりやすい解説

ビーフステーキ
びーふすてーき
beef steak

肉の切り身を焼いた牛肉料理の一種ステーキに適する肉の部位は、最高の部分がサーロイン、ヒレ、リブロース、ランプなどである。また、一切れの大きさは150~200グラムぐらい、肉の形は小さくなっても厚みが1.5センチメートルぐらいのものが肉汁が含まれていて美味である。

[小林文子]

肉の焼き方

ステーキは焼き方がそのうまさを決定するぐらいにたいせつである。焼き方にはブロイル(あぶり網焼き)とパンブロイル(強火フライパン焼き)がある。ブロイルのほうは、とくにチャコール(炭火)焼きが優れている。パンブロイルでは、フライパンのほかに、厚い鉄板で焼く方法もある。一般の家庭では手軽なフライパン焼きの利用度が高い。

[小林文子]

肉の焼き加減

肉は食べる人の好みや肉質によって焼き方を加減する。すなわち、レアrare(生焼き)、ミディアムmedium(中焼き)、ウェルダンwelldone(よく焼いたもの)に大別される。レアは肉の内部温度が50~55℃で、肉の焼き色は内部のほとんどが鮮赤色をしており、ミディアムに加熱した場合よりも肉汁が切り口から多く出てくる。いわゆる生焼きの状態である。ミディアムは肉の内部温度が68℃で、外側表面の焼き色はむらのない茶褐色、内側は桃色で、肉汁もレアより少なくなっている。ウェルダンは肉の内部温度が70~80℃で、外側全体に照りのある茶褐色の焦げ目がつき、内部は白っぽい桃色になり、肉汁も少ない。加熱によって肉は、色、重量、大きさ、脂肪組織、結締組織、筋肉繊維、風味などに変化をおこす。上質肉の生焼きが最高に美味である。

[小林文子]

ソース

メートル・ド・テール・バターソースbeurre à la maître d'hôtel、つまりレモンバターソースを用いるのが一般的。これは溶かしたバターにパセリのみじん切りとレモン汁を加えて混ぜ合わせ、パラフィン紙の上に2.5センチメートル径の棒状にして包み、両端を縛って冷蔵庫で冷やす。これを2センチメートル厚さの輪切りにして焼きたてのステーキにのせて供する。なお、西洋ワサビのおろしたものを添える。

[小林文子]

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百科事典マイペディア 「ビーフステーキ」の意味・わかりやすい解説

ビーフステーキ

ビフテキとも。上質の厚切牛肉を塩・コショウして鉄板やフライパン,また網などで焼いたもので,焼肉料理(ステーキ)の代表。ヒレ肉のテンダーロイン,ロースのサーロイン,骨付のティーボーン,大きく切ったポーターハウス,やや薄切りのミニッツなどがある。また400〜500gのヒレ肉で作ったシャトーブリアン,ベーコンを巻いたトルヌード,新鮮な肉をひいて生で食べるタルタル,ひき肉のハンバーグ・ステーキなどがある。焼き加減ではレア(生焼き),ミディアムレア,ミディアム,ウェルダン(よく焼く)があり,ときからしやレモンバターなどを添える。
→関連項目ソテー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビーフステーキ」の意味・わかりやすい解説

ビーフステーキ
beefsteak

ビフテキ (フランス語のビフテック bifteckのなまり) ともいう。イギリスから伝わった牛肉料理の一種。最もポピュラーな牛肉料理で,牛肉のヒレ,ロース,ラム,イチボなどの部位を用いる。好みによって,表面だけ強火で焼き,切ると血の出る程度のレア (生焼) ,強火で焼くが切ると中が桃色のミディアム (中焼) ,強火で中が白くなるほど焼くウェルダン (十分焼く) など大きく分けて3通りがある。

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「ビーフステーキ」の解説

ビーフステーキ【beefsteak】

厚く切った牛肉を焼いた料理。フライパンで焼くほか、炭火焼き・鉄板焼きなどにする。肉の部位や切り方によって、サーロインステーキテンダーロインステーキヒレステーキ)・ティーボーンステーキなどがある。焼き方には火の通りが浅い順に、レアミディアムレアミディアムウェルダンがある。◇「ビフテキ」と略す。また単に「ステーキ」という場合もビーフステーキをさすことが多い。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

精選版 日本国語大辞典 「ビーフステーキ」の意味・読み・例文・類語

ビーフ‐ステーキ

〘名〙 (beefsteak) =ビフテキ
※東京日日新聞‐明治二〇年(1887)一月六日「恰も打込みの戦場の如く、ビーフステッキの一番首、ヂャガタラ薯の二番鎗」

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デジタル大辞泉 「ビーフステーキ」の意味・読み・例文・類語

ビーフステーキ(beefsteak)

牛肉のロースヒレなどの厚切りを、鉄板などの上で焼いた料理。焼き加減によりレアミディアムウエルダンとよぶ。ビフテキ。

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栄養・生化学辞典 「ビーフステーキ」の解説

ビーフステーキ

 ビフテキと俗称する.牛肉を比較的厚く切って,あぶり焼きした料理.

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世界大百科事典 第2版 「ビーフステーキ」の意味・わかりやすい解説

ビーフステーキ【beefsteak】

牛肉のステーキ。切身をあぶり焼きか,いため焼きにし,焼目の香ばしさによって引き立てた肉そのもののうまみを味わう料理である。日本ではビフテキともいうが,これはフランス語bifteckのなまりである。
[下ごしらえと焼き方]
 肉は繊維に対して直角に切る。切身は厚みをもたせて,一切れ200gくらいが標準である。肉が柔らかめの場合は,肉たたきで形をととのえる程度に軽くたたく。かための場合はやや強く,繊維をつぶすつもりでたたく。

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