デジタル大辞泉
「ビル風」の意味・読み・例文・類語
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ビル‐かぜ【ビル風】
〘名〙 高層
ビルなどの周辺でおこる、局地的な強い風や乱流。
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ビル風 (ビルかぜ)
高層ビルの近傍で吹く特徴ある風。周囲より際だって高いビルが建つと,ビルの両横で強風が吹き,ビルの後側では風が弱くなる。そして一般に風の変動が激しい。これは高層ビルの正面に向かって吹いてきた風がビルを避けて両側に通り抜けるために強風となり,また両側で起きる剝離によってビル後方に平均風速としては弱い乱流領域ができるためである。ビル風によって,店の看板に損害を与えたり,通行人の傘や帽子を飛ばすことがある。ビル建設以前にビル風の状態を予測することは相当むずかしいが,風洞内での模型実験などによって見当をつけることができる。
執筆者:竹内 清秀
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ビル風
ビルかぜ
高層ビル近くで吹く強風。高層ビルに風があたると,空気が上下,左右に分かれる。特に左右に分かれた風がビルの側面を回り込む際に,建物の側面を上方から下方に斜めに向かう速い流れをつくり,地上付近に局部的に強風を発生させる。また,風は建物にあたると壁面に沿って流れるが,建物の隅角部までくるとそれ以上壁面に沿って流れることができず,建物からはがれて流れ去る。はがれた風はその周囲の風よりも強くなるため,局部的に強風が発生する。さらに,複数の高層ビル周辺では,ビルとビルの間を吹き抜ける強風の発生もある。今日では強いビル風が発生しないよう,形状を工夫したビルも建設されている。
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ビル風【ビルかぜ】
高層ビルの周辺で吹く特徴のある風。高層ビルの正面に吹いてきた風がビルを避けて両側に通り抜けるため両横で強風となり,また両側で起きる気流の剥離(はくり)によってビル後方に平均風速としては弱い乱流領域ができる。後方では弱い風で,一般に風の変動が激しい特徴をもつ。風胴内での模型実験などによって,ビルの建設以前に風の状態をある程度予測する試みがなされている。
→関連項目都市気候
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世界大百科事典(旧版)内のビル風の言及
【風】より
…また大火災に伴って発生する火災旋風などがある。(5)[ビル風] 高層ビルの間を吹き抜ける風は,建物のために風が収束して,平地の風速の2~2.5倍になることもある。このように建築物などの周辺に強風が生じる現象をビル風と呼んでいる。…
【都市風】より
…つまり風向・風速とも場所的にも時間的にも著しく変動する。ことに高層ビルの周辺では,風速が強く乱れも大きい(ビル風という)。また,都市の建物などは風に対して大きな抵抗となるので,平均風速は田園地帯より一般に小さい。…
※「ビル風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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