ビブラート

デジタル大辞泉 「ビブラート」の意味・読み・例文・類語

ビブラート(〈イタリア〉vibrato)

声楽器楽演奏などで、音の高さを細かく上下に震わせる技巧

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精選版 日本国語大辞典 「ビブラート」の意味・読み・例文・類語

ビブラート

〘名〙 (vibrato) 声楽、器楽の演奏で、音程をごくわずか上下に細かく震わせる技法。音の強さや音色変化によることもある。〔白眉音楽辞典(1924)〕

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百科事典マイペディア 「ビブラート」の意味・わかりやすい解説

ビブラート

音楽用語。声楽や楽器の演奏においてごくわずかな音高(および強弱や音色)の変動が繰り返されること,またその演奏技法をいう。弦楽器では音につやをつけるため一般的に使用。バイオリン族などの場合,高音域の楽器になるほどビブラートの幅は小さく速度も速く行うのが原則。したがってバイオリンビオラでは主に手首から先,チェロやコントラバスでは肘(ひじ)から先全体をふるわせる。また強奏では速く大きく,弱奏では遅く小さくが原則。管楽器の場合は一般に,強弱の変化によってビブラートを生ずる。同一音高で急速な反復を行うトレモロとは区別される。→ビブラフォン
→関連項目オンド・マルトノクラビコードスチール・ギターバイオリン

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改訂新版 世界大百科事典 「ビブラート」の意味・わかりやすい解説

ビブラート
vibrato[イタリア]

おもに振動数の連続的・周期的変化を利用した装飾的な演奏技法であるが,一定の音高として聴かれ,柔らかで豊かな音を得ることができる。二義的なものとして強さや音色の変化によるビブラートも認められる。声楽では声をふるわす技法で,弦楽器では弦を押さえる左指を細かくふるわせる技法で,トロンボーンスライド伸縮によって,音高の,管楽器は強弱の変化によって,それぞれのビブラートを生ずる。
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世界大百科事典(旧版)内のビブラートの言及

【声】より

…とくに,歌声としてよい響きのある声では,倍音の性質に特徴があり,2~3kHzくらいの成分のエネルギーが強いことが知られている。声帯の振動数(基本周波数)に規則的に細かい揺らぎがあることも特徴的で,これがビブラートとよばれる現象である。このような特徴には声帯の使い方ばかりでなく,共鳴腔の調節も関係していると考えられている。…

【バイオリン】より

…原則として立って演奏するが,合奏の場合は腰掛けて演奏する。左手の基本的な技術のおもなものは,弦を押さえる手の位置を変えるポジションの移動と,弦を押さえた指を微妙に揺らせて個々の音にふくらみとニュアンスを与えるビブラート,弦に軽く触れて高い倍音を出すフラジョレットなどである。弦をはじくピッチカートは,左手と右手のどちらの指でも行う。…

※「ビブラート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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