ビデ(英語表記)bidet[フランス]

精選版 日本国語大辞典 「ビデ」の意味・読み・例文・類語

ビデ

〘名〙 (bidet) 女性性器洗浄器
※日本脱出記(1923)〈大杉栄パリ便所「前にいった瓢箪形デなどは、貧乏人の夢にも思へるものぢゃない」 〔モダン辞典(1930)〕

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デジタル大辞泉 「ビデ」の意味・読み・例文・類語

ビデ(〈フランス〉bidet)

女性用の局部洗浄器。

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改訂新版 世界大百科事典 「ビデ」の意味・わかりやすい解説

ビデ
bidet[フランス]

一般には腟洗浄用器具を指すが,広く局所洗浄用器具を含める場合もある。腟洗浄の歴史は古く紀元前にさかのぼるといわれるが,現在の形に近いビデが作られ普及しはじめたのは,13世紀以降の中世ヨーロッパとされる。

 ビデには,欧米のホテル洗面所などでもしばしば見かけられる固定式のそれと,日本をはじめアジア地域でも普及している携帯用のものがある。洗浄には,単なるぬるま湯や,それに酢,食塩などを混じたものが用いられる。一般には,性交後避妊,帯下の治療,性病等の感染予防などの効果が期待されて用いられるが,その医学的効果は不確実で危険性すらあるというのが大方の医師の意見である。すなわち,腟内へ射精後精子は数分で卵管へと到達するから避妊効果は考えられないこと,感染予防効果が認められないことなどが,その医学的効果が期待できない理由である。また,腟内細菌による腟自浄作用が洗浄により低下して逆に病的細菌が増殖する可能性,洗浄圧による子宮口からの上行性感染の可能性などが,その危険性の根拠としてあげられている。清潔にするなど正しい使用法にもとづいて使用することが重要であるが,それにしても洗浄による爽快感以上のものは期待できない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビデ」の意味・わかりやすい解説

ビデ
びで
bidet

浴室浴槽便器などと並べて設置される女性性器の洗浄装置で、貯湯式と噴水式がある。大きさは普通の洋風便器よりやや小形。混合水栓、蛇口、止水栓と上向きの噴水装置からなる陶器製品で、壁付き型と床置き型がある。洋風便器のように腰掛けて使う便座のあるものもあるが、一般的には中腰で洗浄する形式のものが多い。また、キャスターがついて洗面器の下に組み込まれ、使用時に引き出してフレキシブルパイプにより給排水を行うものもある。キャスター付きのものはスペースが節約できる。わが国では、その利用が一般的ではなかったが、最近では海外技術から導入された洗浄便器が使われるようになり、兼用型として性器の洗浄管と肛門(こうもん)洗浄管の二管が内蔵され、温水温度を調節しながら必要に応じて洗浄する製品が普及し始めている。また、製品によっては温風を吹き出させて局部を乾かす装置をもつものもある。

[坂田種男]

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百科事典マイペディア 「ビデ」の意味・わかりやすい解説

ビデ

腰掛けて使用する女性の陰部の洗浄器。その歴史は古く,中世ヨーロッパの13世紀にさかのぼる。性交後の避妊,性病の感染予防に関しては,ビデの医学的効果は期待できない。
→関連項目温水洗浄トイレ

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「ビデ」の解説

ビデ【bidet〈フランス〉】

温水または水が下から噴出する女性用局部洗浄器。洋式のバスルームに便器と並べて設置される、洋式便器に似た形のものをいうが、現在は温水洗浄便座の機能の一つとして作られるものが一般的。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビデ」の意味・わかりやすい解説

ビデ
bidet

衛生機器の一つ。一般的には化粧室や浴室に設けられ,婦人専用の洗浄器具として使用されるが,家庭内医療用として肛門洗浄に用いられることもある。水受け容器は洋式便器に似た形状をしており,陶器中央の底部より上向きに水または適温の湯を噴出する仕組みになっている。

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