ビクトリアの大聖堂(読み)ビクトリアのだいせいどう

世界の観光地名がわかる事典 「ビクトリアの大聖堂」の解説

ビクトリアのだいせいどう【ビクトリアの大聖堂】

マルタ島の北西6kmにあるゴゾ島(Gozo)、シタデル(The Citadel)の城塞で有名なビクトリア(Victoria)にある大聖堂。ビクトリアは、もとはラバト(Rabat)と呼ばれていたが、イギリス統治下の1887年にビクトリア女王の名前を冠した町名に変わった。現在でも地元では「ラバト」と呼ぶ人が多い。この大聖堂は1697~1711年にかけて、ローマ帝国統治時代のユノー神殿の跡地に、島で産出する石灰岩を利用してバロック様式で建築された。聖堂には、1897年にローマで制作された聖母マリア(聖母被昇天)像がある。また、内部からは聖堂の天井はドームのように見えるが、実際は建物の屋根は平らである。これは、当初ドームが建設されるはずだったが、資金不足で断念し、天井画にだまし絵が用いられ、これがドームのように錯覚させている。この大聖堂には博物館が併設されていて、古文書礼服や銀の保管庫などのほか、地元の画家(ジョセッペ・ハイツラー、ミカエル・ブセッティやトンマーソ・メディオン)の作品などが展示されている。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

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