日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビクトリア(カナダ)」の意味・わかりやすい解説
ビクトリア(カナダ)
びくとりあ
Victoria
カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州の港湾都市で、同州の州都。バンクーバー島南東部、ファン・デ・フカ海峡東端に位置する。人口7万4125、大都市圏人口31万1902(2001)。約90キロメートル北東に、ジョージア海峡を挟んでバンクーバーがある。内海に面し、天然の良港と温和な気候、風光美に恵まれた都市である。1843年にハドソン湾会社が交易所を設置したのが始まりで、バンクーバー島がイギリス王直轄植民地となった49年に首都となり、62年に時の女王にちなんで現市名となる。1908年カナダ太平洋鉄道会社によってホテルが建設されてから、保養地として発展した。市には連邦政府や州政府の行政機能が卓越しているが、カナダ随一の温和な気候のために退職者の移住地としても知られ、また、王朝風の美しい町並みを残し、ビクトリア大学、トーテムポール・コレクションのあるサンダーバード公園、州立博物館などがあり、観光地としても有名である。港からは石炭、水産物(サケ缶詰)、木材、パルプなどが大量に輸出されている。
[山下脩二]