ビウレット(読み)びうれっと(英語表記)biuret

デジタル大辞泉 「ビウレット」の意味・読み・例文・類語

ビウレット(biuret)

尿素をセ氏160度くらいに熱すると得られる結晶アルカリに溶かして硫酸銅水溶液を加えると赤紫色を呈する。→ビウレット反応

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビウレット」の意味・わかりやすい解説

ビウレット
びうれっと
biuret

尿素のカルバモイルカルバミル)誘導体またはアロファン酸H2NCONHCOOHのアミドに相当する化合物無色の結晶。水から再結晶したものは1分子の水を含むが、加熱すると110℃付近で水を失う。尿素を穏やかに150~170℃程度に加熱するか、アロファン酸エステルにアンモニアを作用させて合成する。加熱すると分解してシアヌール酸とアンモニアを生じる。冷水エーテルには溶けにくいが、熱水エタノールエチルアルコール)にはよく溶ける。アルカリに溶かして硫酸銅水溶液を加えると、赤紫色を呈する。これをビウレット反応という。

[務台 潔]

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化学辞典 第2版 「ビウレット」の解説

ビウレット
ビウレット
biuret

allophanamide.C2H5N3O2(103.08).NH2CONHCONH2.尿素を緩やかに約160 ℃ に加熱するか,シアノ尿素の加水分解によって得られる.また,アロファン酸エチルにアンモニアを作用させても生成する.1分子の結晶水をもつが,110 ℃ で脱水されて無水物となる.分解点190 ℃.1.467.水に可溶,エタノールに易溶,エーテルに難溶.加熱分解するとシアン酸とアンモニアになる.アルカリに溶かして,硫酸銅水溶液を加えると青色を呈し,いわゆるビウレット反応を示す.[CAS 108-19-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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