ヒーラ細胞(読み)ヒーラさいぼう(英語表記)HeLa cell

翻訳|HeLa cell

精選版 日本国語大辞典 「ヒーラ細胞」の意味・読み・例文・類語

ヒーラ‐さいぼう ‥サイバウ【ヒーラ細胞】

〘名〙 (HeLa cell の訳語) 一九五一年ヒト子宮頸癌組織から分離され、培養され続けている株細胞ヒーラは細胞を提供した患者名前にもとづく。現在、医学生物学などの分野研究材料として広く用いられている有用な細胞。ヘラ細胞

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ヒーラ細胞」の意味・読み・例文・類語

ヒーラ‐さいぼう〔‐サイバウ〕【ヒーラ細胞】

HeLa cell》ヒトの子宮頸癌しきゅうけいがん組織から1951年に分離され、培養・維持されている細胞株ウイルスがん細胞融合などの研究に用いられる。名は原患者氏名の略称による。ヘラ細胞。HeLa細胞。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒーラ細胞」の意味・わかりやすい解説

ヒーラ細胞
ひーらさいぼう
HeLa cell

現存する人体由来の培養株細胞のうち、もっとも古く分離されたもの。アメリカのガイG. Geyが1952年に子宮頸部扁平(けいぶへんぺい)上皮癌(がん)細胞の培養中に長期継代で安定な細胞を分離し、患者氏名の略称からヒーラ細胞と名づけた。現在では世界中の多くの研究室で細胞生物学的研究に使用されている。またウイルスの増殖に適しているので、この面でも利用価値が高い。染色体数は78~80を中心として分布し、人体皮下に移植すると腫瘤(しゅりゅう)をつくり、X線コルチゾンで免疫機能を低下させた動物に移植することもできるので、癌としての性質を維持していると考えられる。

[大岡 宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒーラ細胞」の意味・わかりやすい解説

ヒーラ細胞
ヒーラさいぼう
HeLa cells

ヘラ細胞ともいう。最も古くから知られた株細胞 (→組織培養 ) の一つ。 1951年にアメリカのジョンズ・ホプキンズ大学病院で G. O.ギーらによって,子宮頸部の癌患者から手術時に分離され,以来引続いて試験管内に培養されている癌細胞。ヒーラは患者の名に由来している。継代培養が容易で,ウイルスの増殖に適しているので,この細胞を使って,ウイルスの生産定量分析,分離,抗体の分析などの研究が広く行われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android