ヒロハシサギ(読み)ひろはしさぎ(英語表記)boat-billed heron

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒロハシサギ」の意味・わかりやすい解説

ヒロハシサギ
ひろはしさぎ / 広嘴鷺
boat-billed heron
[学] Cochlearius cochlearius

鳥綱コウノトリ目サギ科の鳥。全長約50センチメートル。一見ゴイサギに似ているが、スプーン状の幅広い嘴(くちばし)が特徴である。頭上、冠羽、後頸(こうけい)、わきは黒く、額、顔、頸(くび)は白色ないしクリーム色。背以下の背面は灰色、腹は栗(くり)色をしている。メキシコからアルゼンチン北部まで分布し、マングローブ林などにすんでいる。習性は夜行性で、昼間はマングローブ林で休み、夕方から夜にかけて湿地や川辺に出て小魚、水生昆虫、小エビなどをあさる。繁殖は集団で行い、小枝を雑に組み合わせた皿形の巣を樹上にかける。1腹の卵は2~4個、抱卵期間は約20日。動物園などでまれに飼われている。

[森岡弘之]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒロハシサギ」の意味・わかりやすい解説

ヒロハシサギ
Cochlearius cochlearius; boat-billed heron

ペリカン目サギ科。全長 46~54cm。背面は灰色,頭上は青黒色で,冠羽(→羽冠)があり,は長さが約 7.5cm,幅が 5cmもある平たく独特な形をしている。腹は赤褐色を帯びる。メキシコからアルゼンチン北部まで分布する。日中は沼沢地のマングローブで群れになって休み,夕方からは単独で活動する夜行性で,ミミズ魚類甲殻類両生類,小型哺乳類などを食べる。小枝を使って木の上にゴイサギのものに似た巣をつくる。

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