ヒル(George Roy Hill)(読み)ひる(英語表記)George Roy Hill

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヒル(George Roy Hill)
ひる
George Roy Hill
(1922―2002)

アメリカの映画監督。ミネソタ州ミネアポリスに生まれる。イエール大学とダブリンのトリニティ大学で音楽を学び、舞台俳優としてキャリアを始める。第二次世界大戦では空軍パイロットとして従事し、戦後1948年に舞台監督となる。朝鮮戦争でふたたび空軍パイロットとして出兵。帰国後はテレビ監督、ブロードウェー舞台監督に従事し、1962年、40歳で映画監督となる。映画監督としては遅咲きながらも『明日に向って撃て!』(1969)や『スティング』(1973)など、従来の古典的ジャンルからの脱却や、アカデミー賞などの批評面と興行成績面とを両立させ、映画産業繁栄の起爆剤となるような画期的な作品を多く発表した。1970年代にアメリカ映画史を大きく動かした、アメリカン・ニューシネマといわれる新たな潮流をつくった映画監督の一人。1972年にはSF小説を映画化した『スローターハウス5』がカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。

[堤龍一郎]

資料 監督作品一覧(日本公開作)

マリアンの友だち The World of Henry Orient(1964)
ハワイ Hawaii(1966)
モダン・ミリー Thoroughly Modern Millie(1966)
明日に向って撃て! Butch Cassidy and the Sundance Kid(1969)
スローターハウス5 Slaughterhouse-Five(1972)
スティング The Sting(1973)
華麗なるヒコーキ野郎 The Great Waldo Pepper(1975)
スラップ・ショット Slap Shot(1977)
リトル・ロマンス A Little Romance(1979)
ガープの世界 The World According to Garp(1982)
リトル・ドラマー・ガール The Little Drummer Girl(1984)
ファニーファーム 勝手にユートピア Funny Farm(1988)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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