ヒラー(英語表記)Hiller, Dame Wendy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒラー」の意味・わかりやすい解説

ヒラー
Hiller, Dame Wendy

[生]1912.8.15. ブラムホール
[没]2003.5.14. ビーコンズフィールド
イギリスの舞台・映画女優。18歳でマンチェスター・レパートリー劇場に入団し,数年にわたり役者兼舞台監督を務めた。1935年ロンドン,1936年ニューヨークで上演された戯曲 "Love on the Dole"の演技で初めて高く評価され,のちにこの作品の共同脚本家ロナルド・ガウと結婚している。1936年には劇作家ジョージ・バーナード・ショーに抜擢され,マルバーン・フェスティバルで上演された『聖ジョーン』Saint Joanに主演。さらにショーのあと押しにより,映画『ピグマリオン』Pygmalion(1938)で花売り娘イライザ役をつかみ,アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。『旅路』Separate Tables(1958)では,アルコール依存症の投宿客との関係に悩むホテルの女経営者を好演し,アカデミー賞助演女優賞を受賞。『わが命つきるとも』A Man for All Seasons(1966)でも助演女優賞候補となった。舞台『ドライビング・ミス・デイジー』Driving Miss Daisy(1988)のロンドン公演では主役を演じた。1975年デームの称号を授与された。

ヒラー
Hiller, Johann Adam

[生]1728.12.25. ゲルリッツ近郊ウェンディシュオスィヒ
[没]1804.6.16. ライプチヒ
ドイツ作曲家,指揮者。 1751年にライプチヒに行き,ハープシコードフルート奏者歌手,作曲などで生計を立てたが,66年にドイツ最初の音楽専門誌『週刊ニュース』 Wöchentliche Nachrichtenを発行。他方,63年から指揮をとった予約演奏会は 81年に「ゲバントハウス音楽会」に発展した。この間ドイツ・ロマン派オペラ先駆となった多くのジングシュピールを作曲。代表作は『狩り』 (1770) 。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「ヒラー」の解説

ヒラー

ピアニストや指揮者としても活動したドイツの作曲家。器楽作品の他、オペラやオラトリオ、合唱作品を創作した。A.シュミットフンメルに師事し、ライプツィヒのケヴァントハウス管弦楽団の指揮やケルンの音楽院 ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヒラーの言及

【コンピューターミュージック】より

… (1)の形には,既存の音楽の様式的特徴をコンピューターで解析し,それと同じ特性をもつ作品をシミュレートする方向と,新たな作品の形式的特性を実現するために,コンピューターにより要素と諸関係を決定する方向とがある。前者の方向はアメリカのヒラーL.A.Hillerなどによって追求され,アイザクソンL.M.Isaacsonと共作した弦楽四重奏のための《イリアック組曲》(1957)などが作られたが,音楽的に評価されるものはあまりない。後者の方向を積極的に追求したのはクセナキスである。…

※「ヒラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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