日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒューロン湖」の意味・わかりやすい解説
ヒューロン湖
ひゅーろんこ
Lake Huron
北アメリカ東部、五大湖中面積第2位の湖。五大湖の中央部、東岸のカナダ、西岸のアメリカ合衆国の間に位置する。面積5万9570平方キロメートル。湖面標高177メートル、最大水深229メートル。北部のノース・チャネル、東部のジョージア湾を含む。北西のスペリオル湖の水をセント・マリーズ川を通じ、西のミシガン湖の水をマキナック水道を通じて受け、南のセント・クレア川、セント・クレア湖、デトロイト川を通じエリー湖に注ぐ。五大湖水運の通路にあたるため水運が盛んである。12月中旬から4月初旬は氷に覆われる。北岸は緩やかな起伏をもち、湖の多いカナダ楯状地(たてじょうち)で、混交林に広く覆われる。そのほかは五大湖沿岸の平野地域で、牧畜、酪農を中心とした農業地域である。東部のジョージア湾国立公園、アルゴンキン州立公園など、沿岸にはレクリエーション地が多い。南西にベイ・シティ、南端にポート・ヒューロンと五大湖水運をもとに発展した都市がある。フランスのE・ブリュレが白人として初めて発見し、1615年にシャンプランが探検した。名称は湖岸に居住した先住民ヒューロンに由来する。
[大竹一彦]