日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメギフチョウ」の意味・わかりやすい解説
ヒメギフチョウ
ひめぎふちょう / 姫岐阜蝶
[学] Luehdorfia puziloi
昆虫綱鱗翅(りんし)目アゲハチョウ科に属するチョウ。北海道、本州(東北地方から中部地方)に分布するが、その産地は普遍的ではなく、北海道の南西部(札幌低地帯より南西部)や関東地方(赤城(あかぎ)山を除く)には分布しない。はねの開張50ミリメートル内外。ギフチョウに似ているが、それよりやや小形で、前ばねの亜外縁黄条が前端部で強く内側に曲がらないこと、後ろばねの外縁黒帯の内側に赤色鱗斑(りんはん)を現すこと(産地によりこれを欠くものがあるが、この特徴はギフチョウにはけっして現れない)などによって区別できる。年1回の発生、本州では4、5月、北海道では5、6月に出現する。蛹(さなぎ)の状態で冬を越す。幼虫の食草はウマノスズクサ科のウスバサイシン、オクエゾサイシンなど。
[白水 隆]