ヒメアナナス(読み)ひめあななす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメアナナス」の意味・わかりやすい解説

ヒメアナナス
ひめあななす
[学] Cryptanthus acaulis (Lindl.) Beer.

パイナップル科(APG分類:パイナップル科)クリプタンサス属の小形の観葉植物。繁殖力は旺盛(おうせい)で、多数の株が群生する。葉は披針(ひしん)形で長さ8~10センチメートル、緑色で短刺を密生し、縁(へり)は強い波状をなす。花は白色であるが、目だたない。

 クリプタンサス属はブラジル東部の乾いた森林地帯に生育する地生種で、約20種ある。本種のほか、開花期に葉が桃・淡黄色に着色するフイリナガバヒメアナナスC. bromelioides Otto et Dietr. cv. Tricolorや褐色虎斑(とらふ)が入るトラフヒメアナナスC. zonatus (Vis.) Beer.などが導入されている。性質は強健で日照不足にも耐え、ヘゴ板付けや寄せ植え、テラリウム栽培などに向く。

[高林成年 2019年6月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のヒメアナナスの言及

【クリプタンサス】より

…ブラジルの森林地帯に20種ほどが分布する。ヒメアナナスC.acaulis Beerは葉のひろがり10cm以下の小型種で,葉は硬く,先はとがり,縁は波状になる。葉縁が黄白色の覆輪となる園芸種(cv.Variegata)もある。…

※「ヒメアナナス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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