ヒス(Wilhelm His)(読み)ひす(英語表記)Wilhelm His

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ヒス(Wilhelm His)
ひす
Wilhelm His
(1831―1904)

スイスの解剖学者、発生学者。バーゼル生まれ。バーゼル、ベルリンウュルツブルクの各大学で医学を学び、その間ヨハネス・ミュラーウィルヒョウらに師事した。1857年バーゼル大学、1872年ライプツィヒ大学の教授となる。発生の仕組み(機構)の研究で名高く、胎児の発生の研究から、妊娠時期を最終月経の初日から計算する方法を開発した。またミクロトームを発明して顕微鏡の利用法を飛躍的に拡大し、組織学の発展にも貢献した。

 同姓同名の息子(1863―1934)はバーゼル、ゲッティンゲン、ベルリンの各大学で内科学の教授を歴任心臓の刺激伝導系の発見で知られる。房室束ヒス束ともよばれる。

[澤野啓一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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