パルメン(読み)ぱるめん(英語表記)Erik Hebert Palmén

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パルメン」の意味・わかりやすい解説

パルメン
ぱるめん
Erik Hebert Palmén
(1898―1985)

フィンランドの気象学者、海洋学者。ヘルシンキ大学で天文学と気象学を学ぶ。アメリカの気象学者ロスビーに招かれてシカゴ大学で大気大循環(大気還流)について研究したのち、ヘルシンキ大学教授となる。J・ビャークネスと協力して、低気圧の三次元的な解析を行った。また上層偏西風の研究も行い、グローバルな規模におけるジェット気流寒帯および亜熱帯ジェット気流)の発見者の一人とみられている。彼の業績としてはこのほか、海洋‐大気相互関係、大気エネルギーと運動量の平衡、熱帯低気圧論などがある。著作としては、ニュートンChester W. Newton(1920― )との共著『大気循環系の構造とその物理的解釈』(1969)がある。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のパルメンの言及

【気団】より

…東南アジアとアフリカの上ギニア地方のモンスーン域も,その特殊性によりモンスーン気団(MA)と区別されている。 第2次世界大戦後,高層大気の循環の様相が明らかになるにつれて,新しい大気像に合わせるためにフィンランドの気象学者パルメンErik Palménは中緯度の上空に,熱帯気団と寒帯気団の間に中緯度気団を定義した。これは上空にのみ定義されていて,南に向かって下降すると熱帯気団の一部になり,熱帯気団が北に進んで上空に昇ると中緯度気団に変わるという考え方である。…

※「パルメン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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