パルティータ(英語表記)partita[イタリア]

精選版 日本国語大辞典 「パルティータ」の意味・読み・例文・類語

パルティータ

〘名〙 (partita) 組曲の一形式。特に同一楽想の変奏を主体とした古典組曲のこと。

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デジタル大辞泉 「パルティータ」の意味・読み・例文・類語

パルティータ(〈イタリア〉partita)

17、8世紀に作られた器楽用の組曲、または一連変奏曲

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改訂新版 世界大百科事典 「パルティータ」の意味・わかりやすい解説

パルティータ
partita[イタリア]

変奏曲組曲,多楽章形式の楽曲などの意味で用いられた音楽用語。イタリア語の〈部分parte〉という意味から,16世紀末から18世紀初頭にかけて,変奏曲のなかの一つの変奏に対する名称として用いられた。18世紀以後の変奏曲では,とくに〈主題〉と題される第1曲が第1パルティータ,そして第1変奏が第2パルティータというように数えられるのが普通であった。変奏曲全体を指すのには,partite(複数形)なり,partite diverse(〈種々のパルティータ〉の意)が用いられた。その後,多楽章形式の器楽曲,さらには組曲を指すためにも,用いられるようになった。J.S.バッハの作品のなかでは,曲全体が〈partite diverse〉と題されたオルガン用コラール変奏曲(BWV766~768)と,〈partita〉と題された組曲としての六つのクラビーア曲(BWV825~830)と,無伴奏バイオリン用の三つのパルティータ(BWV1002,1004,1006)がとくに有名である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パルティータ」の意味・わかりやすい解説

パルティータ
ぱるてぃーた
partita イタリア語

バロック時代に用いられた音楽形式の名称。元来イタリアで「変奏曲」の意味で使われたが、この用法ドイツにも入り、賛美歌に基づく変奏曲が「コラール・パルティータ」とよばれた。また、ドイツでは17世紀末から「組曲」の意味にもこの語が使われ、フローベルガークーナウのあと、J・S・バッハが六曲のハープシコード用パルティータ(BWV825~830)で芸術的な完成へ導いた。

[寺本まり子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パルティータ」の意味・わかりやすい解説

パルティータ
partita

音楽用語。独奏用の組曲のこと。変奏曲を意味する言葉で,17世紀初期には変奏曲のために用いられたが,中期から変奏組曲の意味にも用いられ,17世紀終り頃からドイツの作曲家が組曲の意味で用いるようになった。代表例は J. S.バッハの『6つのチェンバロのためのパルティータ』『無伴奏バイオリン・パルティータ』など。

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デジタル大辞泉プラス 「パルティータ」の解説

パルティータ

ドイツの作曲家J・S・バッハのクラヴィーア曲集(1725-1731)。原題《Partiten》。『6つのパルティータ』とも呼ばれる。

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