パルス

精選版 日本国語大辞典 「パルス」の意味・読み・例文・類語

パルス

〘名〙 (pulse)
脈搏のこと。〔舶来語便覧(1912)〕
② 急激に立ち上り、ごく短い継続時間でまた急激に降下するような波形の電圧または電流。一定周期で繰り返される周期性パルスと衝撃性パルスがある。

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デジタル大辞泉 「パルス」の意味・読み・例文・類語

パルス(pulse)

脈拍。プルス
ごく短時間だけ流れる電流電波衝撃電流

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百科事典マイペディア 「パルス」の意味・わかりやすい解説

パルス

継続時間のきわめて短い電流。衝撃電流とほぼ同じものだが,一般に波高率(波高値実効値の比)の大きい波形が多数繰り返される信号電流をさす。モールス信号は矩形(くけい)パルスによる通信だが,最近ではマイクロ波多重通信に広く利用され,レーダーコンピューターなどにも応用されている。→符号通信
→関連項目インパルス機械語計算回路計数管電子計数装置

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パルス」の意味・わかりやすい解説

パルス
ぱるす
pulse

脈拍や鼓動のように血液の流れや電圧の値などが律動的に変化する現象をいう。パルスは通常、時間の推移に従って物理量が周期的、かつ過渡的に変化することをいうが、時間以外の次元を基準とするパルスも存在するから、その場合には、たとえばスペースパルスというように次元を明白にする必要がある。すべてのパルスに共通な性質は、ある定常な状態(零でなくてもよい)から急速に変化し、有限の期間持続し、もとの状態に急速に復帰するような変化を繰り返すことである。パルスは主として通信装置に使用されている。レーダーやロランのような航法装置に使用されている電波は、電波自体がパルス状を呈しているが、PCMパルス符号変調)、PSKフェイズ・シフト・キーイング)では電波は持続しており、これを変調する信号のほうがパルスなのである。コンピュータではパルスはクロックパルス、制御パルスとして、あるいは符号を構成して記憶や演算が遂行される。

石島 巖]

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改訂新版 世界大百科事典 「パルス」の意味・わかりやすい解説

パルス
pulse

短い時間幅の電圧波形をいう。単一の波形の場合には,インパルスともいう。周期的に繰り返される場合は周期パルス列,不規則に繰り返される場合は不規則パルス列という。音声波形などの信号波形に応じてパルスの高さ,すなわち振幅,幅,密度などを変化させることにより,遠方まで信号を伝送することができる。これらの信号の伝送方式をそれぞれパルス振幅変調,パルス幅変調パルス密度変調などと呼ぶ。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パルス」の意味・わかりやすい解説

パルス
pulse

短時間の間だけに生じる振動現象。代表的なパルス波形には,矩形波 (方形波) ,三角波,半正弦波,ガウス波などがある。エレクトロニクスではパルスを用いたパルス技術が,シンクロスコープ,コンピュータ,通信,各種の計測や制御などに広く用いられている。パルスの発生には普通マルチバイブレータブロッキング発振器などの緩和発振が利用されるが,微分回路やクリップ回路などによる波形操作を行うことによっても得られる。パルスの発生,変換を行う回路をパルス回路という。

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パソコンで困ったときに開く本 「パルス」の解説

パルス

一般電話回線の種類のひとつです。ダイヤル時に「ジジジ」という音が鳴るのが「パルス回線」で、ジジジという音の回数で番号を識別します。
⇨トーン

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

世界大百科事典(旧版)内のパルスの言及

【オランダ美術】より

…各分野の代表的画家としては,風景画では冬景色のアーフェルカンプ,川岸風景のファン・ホイエン,平原眺望のコーニンクPhilips Koninck(1619‐88),夜景のファン・デル・ネールAert van der Neer(1603ころ‐77),牧畜風景のカイプとポッテル,イタリア風景のボトJan Both(1618ころ‐52)とベルヘムNicolaes Berchem(1620‐83),海景のファン・デ・カペレJan van de Cappelle(1626‐79)およびファン・デ・フェルデ,風俗画では農民画のファン・オスターデAdriaen van Ostade(1610‐85),中流家庭の生活を扱ったデ・ホーホ,メツーGabriel Metsu(1629‐67),テルボルフ,愉快な教訓画のステーン,静物画では軽食画のヘーダWillem Claesz.Heda(1594‐1680),果物や豪奢な食器を得意としたカルフ,動物画ではドンデクーテルMelchior d’Hondecoeter(1636‐95),建築画では教会内部のサーンレダム,デ・ウィッテEmanuel de Witte(1618ころ‐92),街景のファン・デル・ヘイデンなどの名が挙げられる。16世紀以来オランダに特有の集団肖像画の課題にみごとな解決を与え,瞬間性の強調によってモデルの実在感を飛躍的に高めた肖像画家ハルス,観察と明晰な秩序に稀有の調和をもたらし,静謐な室内の女性の姿を永遠の相の下に描いたフェルメール,自然の本質を損ねることなくパトスと詩情を宿した壮大な風景画を創造したヤコプ・ファン・ロイスダールの3人は特に傑出した存在であるが,彼らにしてもその主題の範囲は決して広くはない。こうした風潮の中でレンブラントはただひとり各種の分野に取り組み,とりわけ宗教画と肖像画において鋭い人間性の洞察に基づく内面的表現を展開した。…

※「パルス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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