パリンドラ(英語表記)Parindra

改訂新版 世界大百科事典 「パリンドラ」の意味・わかりやすい解説

パリンドラ
Parindra

植民地時代のインドネシアの民族主義政党の一つ,大インドネシア党Partai Indonesia Rayaの通称。1930年代の民族主義運動は,植民地政府と正面から対決するスカルノ,ハッタらの非協力運動が弾圧され,穏健な路線を歩む団体だけがその存在を認められた。これら諸団体の連合組織がパリンドラで,1935年末に,ブディ・ウトモインドネシア民族党カウム・バタウィ,セレベス同盟等の組織が合併して結成された。委員長にはインドネシア民族党を率いていたストモ医師が就任し,スラバヤを中心とする東ジャワ地方で勢力を伸張したが,植民地政府との協調を通じて合法的に自治政府を達成しようとするものであった。ストモの死後,38年以降はウルヤニングラットが委員長となったが,大衆運動を組織することもなく,39年5月には,ゲリンド(インドネシア人民運動)やイスラム系団体と合併してガピ(インドネシア政治連合)へと解消した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android