パラフィノーマ(読み)ぱらふぃのーま

家庭医学館 「パラフィノーマ」の解説

ぱらふぃのーま【パラフィノーマ】

 美容整形のために、顔や乳房に注入されたパラフィンに対して、生体が反応してできた皮膚しこりです。パラフィン注入は、第二次大戦後によく行なわれましたが、その後、シリコン類に替わったため、この病気は減っています。
 パラフィンに反応する細胞組織球といわれ、炎症のときに局所に集まる細胞です。ですから、この病気は、皮膚を構成する細胞が増殖して生じる良性腫瘍(りょうせいしゅよう)とは異なります。
 治療は、しこりの部分を切除します。自然に消えることはありません。
 パラフィン注入後に、膠原病(こうげんびょう)のような症状が出た例(ヒトアジュバント病)も報告されています。パラフィノーマが疑われる場合は、皮膚科、または形成外科を受診しましょう。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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